平成15年8月1日
水稲の生育状況を現地調査 |
今夏の低温の影響で幼穂の伸張が遅れている現状を把握するため、十和田市晴山地区・藤坂地区のほ場を視察してまいりました。 |
協力
十和田地域農業改良普及センター
所長 長谷川 晃 氏
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水稲の生育状況及び今後の対策について |
1.十和田市晴山(米田一典氏ほ場)
7月15日現在の生育は、草丈はやや短く、茎数(けいすう)は前年並〜やや少なく、葉数は前年並であったが、低温の影響で幼穂の伸張が遅れているため、7月29日現在の幼穂長からみると、むつほまれの出穂期は平年より5日遅れの8月11日頃と予想される。
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品 種 |
栽植
株数
本/u |
年次 |
7月15日 |
穂首
分化期
月/日 |
幼穂
形成期
月/日 |
7/29
現在の
幼穂長 |
出穂期
月/日 |
草丈
cm |
茎数
本/株 |
茎数
本/u |
葉数
枚 |
ゆめあかり |
24.2 |
本年 |
51.9 |
21.1 |
511 |
10.5 |
6/30 |
7/12 |
10.4cm |
(8/9) |
前年 |
52.0 |
20.4 |
475 |
10.3 |
7/6 |
7/14 |
- |
8/6 |
むつほまれ |
〃 |
本年 |
54.8 |
19.9 |
482 |
10.4 |
7/2 |
7/14 |
6.3cm |
(8/11) |
平年 |
55.5 |
20.4 |
514 |
10.6 |
7/5 |
7/14 |
- |
8/6 |
前年 |
58.2 |
24.3 |
566 |
10.3 |
7/6 |
7/15 |
- |
8/7 |
つがるロマン |
〃 |
本年 |
51.8 |
18.5 |
448 |
11.0 |
7/6 |
7/19 |
1.1cm |
(8/16) |
前年 |
56.4 |
21.1 |
492 |
11.1 |
7/8 |
7/17 |
- |
8/8 |
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2.十和田市藤坂(附田常雄氏ほ場)
7月15日現在の生育は、草丈は前年よりやや長く、茎数(けいすう)は前年並、葉数はやや少なめであったが、幼穂の伸張が遅れているため、ゆめあかりの出穂期は前年3日遅い8月9日、むつほまれは前年より4日遅い8月11日頃と予想される。
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品 種 |
栽植
株数
本/u |
年次 |
7月15日 |
穂首
分化期
月/日 |
幼穂
形成期
月/日 |
7/29
現在の
幼穂長 |
出穂期
月/日 |
草丈
cm |
茎数
本/株 |
茎数
本/u |
葉数
枚 |
ゆめあかり |
22.9 |
本年 |
58.4 |
17.9 |
410 |
10.2 |
7/1 |
7/11 |
10.6cm |
(8/9) |
前年 |
53.2 |
18.3 |
448 |
10.3 |
7/6 |
7/14 |
- |
8/6 |
むつほまれ |
〃 |
本年 |
59.1 |
14.7 |
337 |
9.8 |
7/2 |
7/14 |
6.0cm |
(8/11) |
前年 |
57.1 |
19.8 |
485 |
9.9 |
7/7 |
7/15 |
- |
8/7 |
つがるロマン |
〃 |
本年 |
55.6 |
17.1 |
392 |
10.2 |
7/7 |
7/20 |
1.0cm |
(8/16) |
前年 |
51.0 |
15.4 |
377 |
10.5 |
7/9 |
7/18 |
- |
8/9 |
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3.十和田市内の生育状況 |
● |
低温の影響で生育は遅れており、出穂期は平年より4〜5日程度遅れる見込みで、ゆめあかりは8月9日〜13日頃、むつほまれは8月11日〜15日頃、つがるロマンは8月15日〜17日頃になると予測される。 |
● |
市内各地で、葉いもち病の発生が確認されている。今後の気温上昇により、葉いもち発生拡大が懸念される。 |
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4.今後の技術対策 |
1. |
7月下旬頃から穂ばらみ期に達しているが、この時期は最も低温に弱いもので、平均気温20℃以下、最低気温17℃以下程度と予想される場合は、開花が終了するまで10cmの深水管理を徹底し、幼穂の保温に努める。 |
2. |
出穂開花期に最高気温25℃以下程度と予測される場合は、開花が終了するまで10cmの深水管理を徹底する。 |
3. |
葉いもちの防除の徹底と、出穂直前及び穂揃期の穂いもち予防防除を実施する。 |
4. |
前年稲こうじ病の発生がみられたほ場では、出穂10〜20日前に防除する。 |
5. |
斑点米カメムシ類の防除は穂揃期に行い、発生が多い場合はその7〜10日後に2回目の防除を行う。 |
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